最近、夜中にふと目が覚めてしまうことはありませんか?
眠れないほどではないけれど、気づけば朝方に目が覚めてしまい、その後なかなか深く眠れない。
私もそんな夜が続いていました。
第1回で紹介したGABA、そして第2回の腸活を続けたおかげで、入眠はスムーズになってきました。
それでも、まだ「もう少し長く眠りたい」という感覚が残っていたのです。
ある夜、寝る前にスマホで調べものをしていたときに、「睡眠中の低血糖」という言葉が目に留まりました。
どうやら、眠っている間に血糖値が下がりすぎると、体がストレスホルモンを出して目覚めてしまうことがあるらしい。
そして、そんな時に有効だと紹介されていたのが、MCTオイル──中鎖脂肪酸を含むエネルギーオイルでした。
この記事では、実際にMCTオイルを取り入れて感じた変化と、そこにある“脂肪燃焼と睡眠”のつながりを共有します。
なぜ夜中に目が覚める?──40代の“血糖スパイクと睡眠”の関係
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 睡眠中の低血糖とコルチゾールの関係
- 糖質中心の食事による血糖乱高下
- 安定したエネルギー供給の必要性
眠っている間、体はエネルギーを一定に保とうとします。
しかし、夕食で糖質を多く摂りすぎると、血糖値が急上昇した後に一気に下がります。
この「血糖の谷間」で、体はコルチゾールというホルモンを分泌して血糖を上げようとする。
それが夜中の“目覚め”や“浅い眠り”の原因になるのです。
若い頃は代謝が高く、エネルギーをすぐに作り出せていたのかもしれません。
でも40代になると、代謝もホルモンバランスも変わり、同じようにはいきません。
つまり、「夜中に覚醒してしまう」のは、体が糖だけに頼るエネルギー回路のままだからかもしれません。
MCTオイルとは?──ケトン体回路を動かす“もう一つの燃料”
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- MCTオイルの仕組みと吸収スピード
- ケトン体回路との関係
- 血糖安定と睡眠への影響
MCTオイルは「Medium Chain Triglyceride(中鎖脂肪酸)」の略です。
一般的な油(長鎖脂肪酸)よりも吸収が速く、腸から直接肝臓へ運ばれてエネルギーに変換されます。
そのスピードは長鎖脂肪酸の約10倍。
つまり、糖質を取らなくても、体がすぐに使える“代替エネルギー”を供給してくれるのです。
このとき肝臓では「ケトン体」という物質が生成されます。
ケトン体は、脳や筋肉の燃料として使える“脂肪由来のエネルギー源”。
これが体内で働く流れを「ケトン体回路」と呼びます。
糖質に頼らず、脂肪をエネルギーに変える──それがケトン体回路の本質です。
ケトン体回路と脂肪燃焼の関係
脂肪を燃やすスイッチは「糖が足りなくなったとき」に入る
通常の食事では、糖質が体の主要エネルギー源です。
しかし、糖が枯渇すると、体は脂肪を分解してケトン体を作り始めます。
このプロセスこそが“脂肪燃焼回路”です。
夜の断食時間(およそ12時間)を経て、朝方にケトン体回路が活発になるのは自然な現象です。
つまり、夜間にしっかり眠れていれば、体は脂肪を燃やす時間を十分に確保できます。
逆に、睡眠が浅く短いと、この回路が十分に働かず、脂肪が“燃えにくい体”になります。
ケトン体がもたらす3つのメリット
- 血糖値の安定による夜間覚醒の減少
- 脂肪燃焼の促進と代謝リズムの改善
- 抗酸化作用による細胞疲労の軽減
ケトン体は単なるエネルギー源ではなく、体を「静かに整えるシグナル物質」としても働きます。
夜間にこの回路を動かせるようになると、眠りと代謝が自然にリンクしていきます。
寝る前のスプーン1杯で感じた変化
私が試したのは、就寝30分前にティースプーン1杯のMCTオイルを飲むというシンプルな方法でした。
初日は「胃が重くならないかな」と少し不安もありましたが、問題なし。
そして、その夜──不思議なことに、一度も目が覚めませんでした。
翌朝、起きたときの感覚が違いました。
頭の中がすっきりしていて、身体の芯まで休まったような感覚。
これまで5時間ほどで起きていたのが、7時間以上ぐっすり眠れていました。
数日続けるうちに、「夜の途中覚醒」が減り、翌日の集中力も明らかに上がりました。
GABAでリラックスできるようになり、腸活でお腹の調子も整い、そこに“安定したエネルギー供給”が加わった感じです。
脂肪燃焼とMCTオイル──夜に“エネルギーの切り替え”を起こす
MCTオイルは、睡眠を助けるだけでなく「脂肪を燃やしやすい体」づくりにも関係しています。
夜間、糖の代わりにケトン体を使うようになると、体は自然と脂肪酸を優先的にエネルギー源にします。
これは「ケトン適応(keto-adaptation)」と呼ばれる現象で、数日〜数週間で代謝が慣れてきます。
また、MCTオイルによって血糖の乱高下が減ることで、インスリン分泌が安定。
結果として、脂肪を蓄えにくくなり、燃焼効率が上がります。
私自身、朝起きたときのむくみが減り、日中も体が軽く感じられるようになりました。
MCTオイルを続けるうえでのポイント
1. 摂取量は“少なめスタート”が基本
いきなり大さじ1杯以上を飲むと、胃腸に負担がかかりやすいです。
まずはティースプーン1杯から始め、慣れてきたら少しずつ増やすとよいでしょう。
2. 空腹時よりも“寝る前・食後”が◎
空腹時は吸収が速すぎて、エネルギー上昇で眠れなくなる人もいます。
食後や就寝前に少量を摂ると、血糖を安定させながらゆるやかにケトン体が生成されます。
3. 糖質を減らしすぎないことも大切
極端な糖質制限は、トリプトファンやメラトニンの合成に影響し、睡眠リズムを乱すことがあります。
夜は軽めの炭水化物と健康的な脂質を組み合わせると、安定した睡眠が得られやすいです。
まとめ:眠りと脂肪燃焼をつなぐ“エネルギー回路”を整える
40代になると、眠りの浅さや体重の増加を「年齢のせい」と感じがちです。
でも、体の中ではエネルギーの流れが少しずつ変化しているだけなのかもしれません。
MCTオイルは、その流れを「糖」から「脂肪」へと静かに切り替えてくれる存在です。
夜に深く眠れるようになるだけでなく、日中の代謝も整っていく。
これは、“燃やしながら休む”という理想的な状態です。
もちろん、最終的には運動も欠かせません。
ただし、その前に「体内環境と代謝のスイッチ」を整えることが、すべてのスタートラインだと思います。
40代の体は、まだまだ変われる力を持っています。
そして、その第一歩は、小さなスプーン1杯から始まるかもしれません。
ぜひ、試してみて下さい!
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