「フォルダ内の大量ファイルの整理に時間がかかる…」「手作業で同じことを繰り返すのが面倒…」そんな悩みを抱えていませんか?
Codex CLIを使えば、こうした単純作業をAIに任せることができます。
第2回となるこの記事では、自然言語からスクリプトを自動生成し、WindowsとmacOSの両方で簡単に実行する方法を紹介します。
初めてスクリプトを書く方でも安心して使えるよう、できるだけシンプルな手順でまとめています。
Codex CLIでできる自動化の基本
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 自動化スクリプトとは何か
- Codex CLIが得意とする作業領域
- 自然言語からスクリプトを作る流れ
Codex CLIの大きな特徴は、自然言語の説明から自動でコードを生成できる点にあります。
「こういうスクリプトを作りたい」と文章で説明するだけで、AIが必要なロジックを理解し、スクリプト本体を構築してくれます。
複雑な関数を理解する必要はありません。
スクリプトの作り方を覚えるより、「何をしたいのか」を正確に伝える方が重要です。
Codex CLIは、以下のような作業の自動化が得意です。
- ファイル整形・分類・移動
- ファイル名や拡張子の一括変更
- データ整形(JSONやCSVの処理)
- 日付単位の集計やバックアップ
- 簡単な画像処理の補助
この第2回では、もっとも実用性の高いケースの1つとして「ファイル名を作成日時+連番に統一する」スクリプト生成を例に、自然言語から実行までの流れを詳しく見ていきます。
自然言語からスクリプトを作る手順
この章では、Codex CLIにどのように指示すればスクリプトが生成されるのかを具体的に説明します。
複雑な構文や専門知識は必要ありません。
ポイントは、「目的」と「条件」を自然文でしっかり伝えることです。
指定フォルダ内のファイル名を「作成日時」-「連番」に変更するスクリプトを作る
まずはCodex CLIで次のように入力します。
Codexを起動し対話モードに入ったら、以下の文章をそのまま貼り付けて構いません。
次の条件を満たす Node.js スクリプトを書いてください。
・コマンドライン引数でフォルダパスを受け取る
・そのフォルダ内の「ファイルだけ」を対象にする(サブフォルダは無視)
・各ファイルの作成日時を取得する
・同じ日付のファイルには連番(001, 002, …)を付ける
・ファイル名を「YYYYMMDD-連番.拡張子」に変更する
・Windows と macOS の両方で動くコードにする
・Node.js の標準モジュールのみで書く
・最後に実行例(コマンド)も教えてください
このように、スクリプトの条件を箇条書きするとCodex CLIが正確に理解しやすくなります。
自然言語で要件を伝えるだけで、Codex CLIは次のようなスクリプトを生成してくれます。
Codex CLIが生成してくれるスクリプト例
Codex CLIが返すコードは状況に応じて多少異なりますが、概ね以下のような構造になります。
この記事では、分かりやすい例として完成版を掲載します。
// rename-by-date.mjs
import fs from 'fs/promises';
import path from 'path';
async function main() {
const targetDir = process.argv[2];
if (!targetDir) {
console.error('使い方: node rename-by-date.mjs <フォルダパス>');
process.exit(1);
}
const entries = await fs.readdir(targetDir);
const files = [];
for (const name of entries) {
const fullPath = path.join(targetDir, name);
const stat = await fs.stat(fullPath);
if (!stat.isFile()) {
continue;
}
files.push({
name,
fullPath,
createdAt: stat.birthtime ?? stat.mtime
});
}
files.sort((a, b) => a.createdAt - b.createdAt);
const counters = {};
for (const file of files) {
const d = file.createdAt;
const year = d.getFullYear();
const month = String(d.getMonth() + 1).padStart(2, '0');
const day = String(d.getDate()).padStart(2, '0');
const dateStr = `${year}${month}${day}`;
const current = (counters[dateStr] ?? 0) + 1;
counters[dateStr] = current;
const serial = String(current).padStart(3, '0');
const ext = path.extname(file.name);
const newName = `${dateStr}-${serial}${ext}`;
const newPath = path.join(targetDir, newName);
if (newPath === file.fullPath) {
continue;
}
console.log(`${file.name} -> ${newName}`);
await fs.rename(file.fullPath, newPath);
}
console.log('リネームが完了しました。');
}
main().catch((err) => {
console.error('エラーが発生しました:', err);
});
このコードはNode.jsの標準機能で動作し、WindowsでもmacOSでも問題なく使えます。
生成されたコードをそのままコピペして使えるのがCodex CLIの便利なところです。
Windows / Mac での実行方法
Codex CLIが生成したスクリプトは、そのままNode.jsで動かすことができます。
難しい設定は不要です。
1.スクリプトを保存する
Codexにお願いすれば、ファイルを保存してくれます。
コードをコピーして、次の名前で保存してもOKです。
rename-by-date.js
スクリプトを保存したフォルダに移動すれば実行準備は完了です。
2.macOS の場合
cd ~/Desktop
node rename-by-date.js ./photos
「./photos」の部分は任意のフォルダに置き換えてください。
3.Windows の場合(PowerShell)
cd D:\scripts
node rename-by-date.js "D:\pictures"
フォルダパスにスペースが含まれる場合はダブルクォートが必要です。
実行すると、次のようなログが表示されます。
IMG_1001.jpg -> 20240201-001.jpg
IMG_1002.jpg -> 20240201-002.jpg
...
リネームが完了しました。
これで大量のファイルを一発で整理できます。
実行例は、上記コードでの実行例です。
正確にはCodexが出力してくれる、実行方法を参照して下さい。
Codex CLIでスクリプトを実行する際のポイント
Codex CLIには、「AIが勝手に操作しすぎないように制御する仕組み」が備わっています。
承認モードの活用
基本は次の3つのモードです。
- suggest:提案のみ(初心者向け)
- auto-edit:編集部分は自動化
- full:完全自動モード
初心者は「suggest」モードをおすすめします。
スクリプト生成だけなら安全に使うことができます。
自然言語での修正依頼
たとえば次のように頼むと、生成済みスクリプトを修正してくれます。
このスクリプトに「.DS_Store を無視する処理」を追加してください。
AIが差分を理解して、必要部分だけを書き換えてくれるのがCodex CLIの強みです。
自動化でよく使う実用プロンプト例
ファイル名整理スクリプト
フォルダ内の全ファイル名からスペースを削除するスクリプトを書いてください。
バックアップスクリプト
logs フォルダを毎日バックアップして、日付付きのフォルダにコピーする bash スクリプトを書いてください。
JSON整形スクリプト
data.json を読み込んで整形し、output.json に保存する Python スクリプトを書いてください。
このように、必要な作業を自然文で伝えれば、どんなスクリプトも生成できます。
Codex CLI利用時の注意点
Codex CLIは便利ですが、AIによるファイル操作は慎重に扱う必要があります。
- 最初はテスト用フォルダで実行する
- 承認モードは慎重に切り替える
- 削除系の操作は二重確認する
- 困ったらエラー内容をChatGPTに聞く
環境依存の問題が起きた場合は、エラーメッセージをコピーしてChatGPTに相談するのが最速の解決方法です。
まとめ|Codex CLIでAI自動化をはじめよう
Codex CLIを使えば、自然言語だけでスクリプト作成と作業自動化ができます。
第2回の今回は、もっとも実用性の高い「ファイル名リネームスクリプト」を題材に、実際の作成手順を詳しく紹介しました。
WindowsでもmacOSでも同じスクリプトがそのまま動くため、誰でも簡単に実践できます。
次回は、Codex CLIとGitHubを連携させて、コードレビューや自動化ワークフローをさらに強化する方法を紹介します。
AIを使った自動化の世界を、一緒に広げていきましょう。
※この記事は2025年11月17日時点の情報に基づいています。最新情報は公式サイト等をご確認ください。
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